キマイラ文庫
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作家
ヤマモト ユウスケ
イラスト
まご
思い返せばそう、あれは一学期最後の日。
我々が突如、異世界へと転移したところから、この難局は始まった。

生徒総数一万人の晴天学園が丸ごと
地球ではないどこかのジャングルのど真ん中に、だ。
しかも、生徒から職員に至るまで全員が
フェアリーやらエルフやら獣人やら、異種族に変異してしまっていた。

これには流石のこの私、生徒会長“暴君“黒揚羽聖十郎も面食らってしまったとも。
……気づいたら身長が三十センチメートルになっていたのだからな!

さらには襲い来るモンスター、過酷な大自然、失言、政敵からの批判、あと失言……
数多の脅威により、私の政治基盤はもはやガタガタだ。
遺憾の意を表明せざるを得ん。

まあ失言は私のセルフ失態だが、それはさておき。さておきだ。
諸君。我々はこの難局を乗り切るため、
異世界で生き残るために必要なものが何か、すでに知っている。

そう、青春である。

この世界では、青春してる奴が強い!

青春すれば生活も充実するし、メンタルも上向くし
なんでか知らんがスキルも覚醒する!

だから青春しろ! 弾けんばかりの青い春で異世界を塗り替えろ!
我が晴天学園生徒会は、生徒諸君の青春を粉骨砕身の思いでサポートする所存である!
……つまり、要するにだな。

これは――青春に命を懸ける我々の、長い長い一夏の物語なのである。
晴天に飛ぶ生徒会
一章
転移する学園(1)
一章
転移する学園(2)
一章
転移する学園(3)
一章
青春白球大暴投(1)